2008年11月15日
DNAから、人類の拡散を探る その2
こんにちは 皆さん
saahさんの
テーマ設定にそって次は
④アフリカを出た人達の経路はどのようにして知ることが出来るか?
⑤人類の移動(拡散)の時期はどのようにして知ることが出来るのか?
ですね。
この2つの「どのようにして知ることが出来るか」を レポートします
人類の進化と拡散 からお借りしました
④アフリカを出た人達の経路はどのようにして知ることが出来るか?
⑤人類の移動(拡散)の時期はどのようにして知ることが出来るのか?
まずは、誰でも思いつくのが、遺跡です。各地の遺跡は、その遺物によって、時代やどんな人が暮らしていたかがわかります。しかし、時代が特定されても、果たしてそこに暮らした人が、どこからやってきた人かを特定するには、文献や、その他の資料が大量に必要になり、それだけでも未だはっきりしない可能性があります。つまり時代が遡れば遡るほど難しくなります。
そこで登場するのが、DNAの解析なのです。
DNAの突然変異はどのぐらいの時間の間隔で起こるのかは、化石の証拠と合わせて推定されます。
これまでの化石の分析から、人の突然変異の時間間隔が推定されているわけです。つまりこれが時計代わりになるわけです。同じ祖先から、人とチンパンジーがいつ分岐したかを知るのも同様です。
ということは、現代に生きる私や皆さんのDNAを調べることで、変化の順番やいつ起こったかがわかるというわけです。
少し専門的になりますが、この辺を簡単に紐解いて見ます。
人の出発点がアフリカにあったとわかったのはミトコンドリアDNAの解析からです。
ミトコンドリアDNAは環状のDNAで、制限酵素を用いると、書き込まれている情報ごとなどに切断されます。
この切断パターンやそもそも一般的には存在する塩基配列が欠損しているパターン等が発見され、区別できるようになったのがハブログループの始まりです。しかし、制限酵素でのパターンだけでは限界がありました。
そこで、今度はD-ループと呼ばれるミトコンドリアDNAの中で、例外的に何の遺伝子もコードされていない(書き込まれていない)領域を対象に調べると、更に細かく分類が可能になりました。実は、この部分は更に変異スピードが速く、多様な変異が蓄積されています。
その結果、現在ではハブログループは何十もに分類されています。
突然変異は時間と共に蓄積されます。つまり、現在のアフリカに住む最初の人の子孫が、一番歴史を持ち、かつ変異も一番持っていることになります。世界のほかの人々は、その地域への移住後の変異しか持っていないことになります。
では、改めて
④アフリカを出た人達の経路はどのようにして知ることが出来るか?
⑤人類の移動(拡散)の時期はどのようにして知ることが出来るのか?
の答えですが、世界各地の人々のミトコンドリアDNAを調べ、ハブログループに分類し、系統図が作成されました。これによって、どのハブログループが先に生じたか?といった変異の時間軸がわかります。
後は、世界の各地域の人々のハブログループがわかれば、この地域の人がいつ移住したかもわかるわけです。これらを順に押えると、移動(拡散)経路、時期が見えてくるというわけです。
問題がないわけでもありません。ミトコンドリアDNAは母系です。かつて略奪闘争が始まる前に拡散した人々は、当然男女、子供を含む集団だったと思われます。よって男子だけの移住集団はなかったと思いますが、その可能性についてはわからない。
そこで、この研究はミトコンドリアDNAだけでなく、Y染色体(これは父系)の調査研究が行なわれており、細部は異なるところもありますが、同じような結論がでています。
世界中の人のデーターが全てそろっているわけでない現状では、どうしても推測の域をでないケースもありますが、今後データーの蓄積が進めば、より詳しく わかってくると思います。
投稿者 dokidoki : 2008年11月15日 21:07 Tweet
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コメント
アフリカから人類が拡散していったということ、その根拠が分かりました。
このブログを愛読させていただいていると、日本人が実は、北や南の地域、朝鮮や中国と言った周辺のさまざまな地域からやってきていることを知りました。日本人のルーツを知る方法としても、今回紹介いただいたような分析の手法が使われているのでしょうか?
投稿者 ミスターマント : 2008年11月18日 22:44
ミスターマントさんへ
>日本人のルーツを知る方法としても、今回紹介いただいたような分析の手法が使われているのでしょうか?<
このシリーズで参考にしている資料は、元々日本人のルーツを探ることが目的の物が主体です。その為今回はミトコンドリアDNAとY染色体の分析からルーツを探っています。
しかし、投稿中に紹介していますが、データー自体は未だそれほど多くの人のものではありません。ですから、それだけで全てがわかるわけでもなく、考古学資料や、とにかくいろいろな分析の塗り重ねによって、新しい事実が見つかるのだと思います。
投稿者 dokidoki : 2008年11月20日 22:28
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