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2009年01月07日

キリスト教によるユダヤ人全滅思想

こんにちはちわわです、
今回は民族宗教にとどまったユダヤ教から、普遍宗教として世界へ広がっていったキリスト教の背景と、ユダヤ全滅思想への発展について考察してみます。
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キリスト教の開祖イエス・キリストも、その最初の弟子達も皆ユダヤ人だった。
 ローマ帝政初期、最初のユダヤ人キリスト教徒は、イエスが神によって約束されたメシアであるという信仰を持った点において一般のユダヤ教徒から区分されたものの、実際の生活においては他のユダヤ人とほとんど変わりない生活(割礼を受け、安息日に従い、シナゴーグでの参拝)を送っていた。
聖地エルサレムにはヘブライ語を母語とするパレスチナのユダヤ人ギリシャ語を母語とするヘレニスト・ユダヤ人がおり、後者のヘレニスト・ユダヤ人が主にキリスト教に改宗し、エルサレム神殿へ参拝しつつ(ユダヤ教の唯一神ヤハウエを認めつつ)説教を行なっていたのである。
これを、うっとおしいと思ったユダヤ人はキリスト教を迫害し、キリスト教徒ステファノを石殺しにした。この生き証人となったパウロも熱心なユダヤ教徒で、迫害に血気盛んであった。
ところがある日突然、天からの光に包まれてその場に倒れ、朦朧とした意識の中でキリストの声を聞く「パウロよ何故私を迫害する。街へ帰れ。おまえのなすことは告げられるであろう。」これがいわゆる使途パウロの回心であり、ここからキリスト教は勢いよく拡大してゆくことになる。
ローマ人やギリシャ人にユダヤ教の割礼の儀式が忌み嫌われていたのは前回述べたが、キリスト教の拡大のためには、この割礼が極めてネックになっていた。
そこで、「救いは割礼によってユダヤの民族に加わることによるのでなく、ただ、イエスの寵愛によるものである」こととし、幾度となく繰り返し続けられてきた割礼論争にけりをつけ、キリスト教は、ユダヤ教的民族宗教から、普遍宗教の道を歩き始めることとなり、国家と結びついてゆくことになる。
ユダヤ人は極めて繁殖力が高く、古代ローマ帝国初期において600万~800万人いたといわれており、ローマ帝国の人口の10%を占めていた。この数がローマ帝国をしても、ユダヤ人を全滅させるに到らなかった理由の1つと思われるが、ヘレニスト・ユダヤ人がキリスト教に回心し多数派となるに従い、ユダヤ全滅思想は開花する。
「ユダヤ人はメシアであるキリストの言葉に耳をかさず、かえって彼を十字架にかけて殺した。」(使二章二二~二三)これがユダヤ人のイエス殺害説である。
実際イエスの時代のパレスチナ地方はローマ帝国の支配下であり、イエスの死刑を裁判により決定したのも、それを実施したのも、ローマ帝国であり、罪人を十字架にかけて殺すやり方もローマ支配の伝統的処刑方法である。
しかし、1世紀~2世紀にかけてユダヤ人キリスト殺害説はエスカレートしてゆき、ユダヤ人は単なる非難、叱責の対象でなく、「彼らは悪魔を父に持つ民であり、彼には真理がない。」という、ユダヤ教を真っ向から否定するばかりでなく、本質や存在の根本を否定するにまで発展し、このキリスト教会の反ユダヤ神学思想が、中世ヨーロッパのユダヤ人迫害からナチズムのユダヤ人全滅政策に至るまで、その精神的、理論的よりどころとして、引用、利用されることになるのである。
参考:大澤武男著「ユダヤ人とローマ帝国」

投稿者 tiwawa : 2009年01月07日 List  

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コメント

すごく壮大なドラマですね!
ところで、新大陸において大型哺乳類、特にマンモスが絶滅したのはなぜなんでしょうか。
特に一時的な「寒の戻り」の時期に一気に絶滅したのはなぜか、そのあたりの説があれば知りたいですね。

投稿者 戌年 : 2009年2月10日 00:09

1万1000年前~1万年にかけての時期の大型哺乳類が絶滅したのはアメリカ大陸だげでなく、ユーラシア大陸でもそうです。
日本にもかつてナウマン象という大型の象がいましたし、シベリアで凍りづけのマンモスが発掘されたりしていますよね。
ただしアメリカ大陸では大型哺乳類が絶滅した割合がユーラシア大陸に比べると高いのが特徴です。(これを比較計算した学者もいます)
おそらく地形と気象の違いによるものだと思われますが、記事に書いたように、ここに注目して、インディアンによる「過剰殺戮説」を唱えるアメリカ人学者もいます。
しかし、当時の人口や、後世に残ったインディアンがバイソン(アメリカ野牛)を必要以上に捕獲しなかった事から考えて、絶滅が狩猟に起因するものだとは考えにくく、「過剰殺戮説」現代アメリカ人固有の発想によるものだと思います。

投稿者 匿名 : 2009年2月10日 23:35

これを読んで宇宙のなかにある地球の気温が変化する事に興味をもちました。氷河期から温暖化に変わっていくとの事などその中で人間がいかに努力していくのか?色々考えるきっかけをいただきました。

投稿者 衣女 : 2009年2月15日 15:28

衣女さん
コメントありがとうございます。
アメリカに移動したモンゴロイドは気候変動によって大型哺乳類の激減状況に「どうする?!」と日々考え続けたに違いありません。
気象や季節の変化、もっと長い期間の気候変動などを人類は絶えず全身全霊で状況判断して、生き延びてきたのだと思います。
この歴史事実は、アメリカ合衆国か?イラクか?どちらの歴史が古いかといった議論を超えて、人類の歴史を掴む視点を示していると思います。
勉強していきましょう!

投稿者 tamura : 2009年2月15日 15:39

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