2009年10月12日

「日本人は闘えるのか?」③~次代の実現基盤(「老舗企業大国」日本)

「日本人は闘えるのか?」②~日本人の特性(外国人から見た日本と日本人)

日本人は闘えるのか?シリーズも中盤にさしかかりました。前回は、日本人の意識構造について、活発なコメントも寄せられ白熱しました。今回は、日本の企業を通して可能性を探りたいと思います。

言うまでもなく、現代社会の企業の多くは市場原理に基づいた利益第一の集団です。そのような厳しい競争原理の中で、日本は、世界から比較して”老舗”と呼ばれる企業が数多く生き残っています。

老舗企業の技術革新・・・「老舗企業大国」日本(1/3) より(るいネット

■1.「老舗企業大国」日本■
 我が国は、世界で群を抜く「老舗企業大国」である。創業百年を超える老舗企業が、個人商店や小企業を含めると、10万社以上あると推定されている。その中には飛鳥時代、西暦578年に設立された創業1400年の建築会社「金剛組」だとか、創業1300年になろうかという北陸の旅館、1200年以上の京都の和菓子屋など、千年以上の老舗企業も少なくない。
 ヨーロッパには200年以上の会社のみ入会を許される「エノキアン協会」があるが、最古のメンバーは1369年に設立されたイタリアの金細工メーカーである。しかし、これよりも古い会社や店が、我が国には百社近くもある。…(中略)…
 さらに興味深いのは、百年以上の老舗企業10万社のうち、4万5千社ほどが製造業であり、その中には伝統的な工芸品分野ばかりでなく、携帯電話やコンピュータなどの情報技術分野や、バイオテクノロジーなど先端技術分野で活躍している企業も少なくないことだ。

Kongo.jpg
※金剛組
byさーね
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■2.髪の毛の1/8の細さの金の極細線■  そんな企業の一つが東京の田中貴金属工業である。…(中略)… 現在の代表製品の一つが、金の極細線。最も細いもので直径0.01ミリ、髪の毛の1/8ほどの細さのものが作られている。たとえば携帯電話でバイブレーションするものは、大きさ4ミリほどの超小型モーターが使われているが、そのブラシに極細線が使われている。 …(中略)… b5_catch_t.gif  同社ではさらに、プラチナでガン細胞の成長を抑えるとか、銀にカドミウムを加えて接点としての性能をあげる、など、貴金属の新しい特性を引き出す革新的な研究開発を続けている。 同社の技術開発部門長の本郷茂人(まさひと)氏はこう語る。 貴金属のほうから、そういう特性を世に出してくれ、出してくれって言っているようにな気がするんですよ。われわれが特性を探し出すんじゃなくてね。世の中に出してくれ、出してくれと言っているものを出してやるように努力するのが、われわれの仕事じゃないかと思うんです。
■3.金箔は人の心を読む■  携帯電話の中で、折り曲げ可能なフレキシブル・プリント基板配線用の銅箔では、日本国内のライバル1社と合わせて世界シェアの9割を占めるのが、京都の「福田金属箔粉工業」である。  設立は元禄13(1700)年、赤穂浪士の討ち入りの2年前に、京都・室町で金銀箔粉の商いを始めた時に遡る。…(中略)… 10-enk.gif …(中略)…極細線と同様、髪の毛の1/8ほどの薄さに引き延ばす。…(中略)…伝統的な職人の間では、次のように言われている。  金箔は人の心を読む。機嫌の悪いときには言うことを聞かない。時には嘲笑(あざわら)ったりする。金箔は生きているから。
■4.「お米の持つ力を近代の日本人は引き出してこなかった」■  香川県の勇心酒造株式会社は、安政元(1854)年創業で、すでに150年以上の歴史を持つ。現在の当主・徳山孝氏は5代目である。  徳山氏が30歳の若さで、勇心酒造を継いだ時、清酒業界はすでに斜陽で、老舗の造り酒屋が次々と倒れていった。東大大学院で酵母を研究した徳山氏はコメと醸造・発酵技術を結びつけて付加価値の高い商品を作ろうと考えた。  お米の場合、清酒や味噌、醤油、酢、みりん、あるいは焼酎、甘酒といった非常に優れた醸造・発酵・抽出の技術があるんですけれども、明治以降、新しい用途開発がまったくと言っていいほどなされていなかった。つまり、近代に入ってから、お米の持つ力を日本人は引き出してこなかっ た。・・・  近代科学が行き詰まっているいまだからこそ、米作りのような農業と醸造・発酵の技術とをもう一度リンクさせ、付加価値の高いものを作ろうと、お米の研究に取りかかったのです。  …(中略)…むかし米が湿布薬に使われていたという古文書の記述をヒントに、ようやく昭和63(198Cool 年にライスパワーエキス入りの入浴剤を開発して売り出したところ、たちまち年間3百万本のヒット商品に成長した。 image001.jpg
以上、老舗企業の技術革新・・・「老舗企業大国」日本(1/3)より抜粋

これら老舗企業のあり方から考えると、「日本人は闘えるのか?」②~日本人の特性(外国人から見た日本と日本人) のmrranさんのコメントにヒントになります。

その序列を皆(支配者も被支配者も)が社会的役割として受入れている、しかもその上で皆が皆の為になることを喜び(=活力源)とした社会システムがあったということです。

老舗企業は、市場が利益第一志向へと変遷していく中でも、それだけに収束するのではなく、社会的な役割=期待も常に掴み、あくなき追求心と心遣いをもって応えてきたのではないかと感じます。

・金剛組は、人々の習慣,拠り所である仏教の社寺建築を通して、日本の木造建築を昇華させてきた。
(金剛組は、バブル期の負債で一時期倒産の危機に晒されましたが、現在は、本業の宮大工に立ち戻り再起されています)
・田中貴金属工業や福田金属箔粉工業は、先を予測し、先端の携帯電話やIT機器の実現へ貢献した。
・勇心酒造は、自然の力の必要性を改めて示してくれた。

我々は、老舗企業と聞くと、歴史と追求の深さを感じることがありますが、客や人々,社会に対する同化度の深さと同時に、様々な社会問題に対してもアンテナを立て、それに応えるには?と常に考えているからではないでしょうか。勇心酒造のライスパワーという商品などはその好例です。

このような基盤が、これからの時代に日本人の闘う基盤になりえるのではないでしょうか。

>かくして、男女を包摂した実現期待⇒認識収束の潮流は、当然、充足発の実現方針(⇒答えを出せる新理論)へと収束してゆく。
潮流9:経済破局を突き抜けてゆく充足・安定・保守の潮流より

多かれ少なかれこのような”老舗企業”を残してきた日本は、経済破局=市場原理崩壊という状況の中で、利益第一という枠を超えて、実現方針に向える基盤があると言えるのではないでしょうか。

投稿者 sawatan : 2009年10月12日 13:00  

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コメント

逆に、日本人の弱点が浮き彫りとなる投稿だと思います。
存続、維持、倣う・・・・・ことにエネルギーを費やす
反面、新たに起業してゆく活力にかけてしまうとゆう現実。

しかし自分はこれを捨てるきにはなれないですし、捨てるきも
ありません。これからの中国やインドといったパワーが
リードしてゆく世界でおいてけぼりにされても、
この日本的なる、畏れ敬い守りつなげてゆく精神文化を
貫くことこそ美しいと考えます。

でもこれじゃ食っていけないんでしょうね(笑)

投稿者 スバール : 2009年10月12日 22:23

>存続、維持、倣う・・・・・ことにエネルギーを費やす
反面、新たに起業してゆく活力にかけてしまうとゆう現実。

確かに伝統や継続を第一義に置く日本の企業の弱点かもしれませんね。しかしわずか2、3年でころころ変わる流行に左右されずに柳のごとくしなやかに時代に対応していく様は頑固でいて柔軟、そこには時代を超えて作り上げてきた理念や処方が詰まっているように思います。

>でもこれじゃ食っていけないんでしょうね(笑)

何とか食っているから残っているのではないでしょうか?
食うっていうことは大企業や大もうけをすることではないようです。日本の企業を見る限りは・・・。

投稿者 tano : 2009年10月13日 02:29

『100年超の長寿企業2万1000社 “最高齢"は1431歳の金剛組』
http://sankei.jp.msn.com/economy/finance/090812/fnc0908121743010-n1.htm

の記事に対してホリエモンがブログで

『長続きする会社って本当にいいものなのだろうか?』
http://ameblo.jp/takapon-jp/entry-10319711170.html

と言う投稿をしています。企業=株式会社を前提とした内容で、逆に捉えれば企業が長続きしない理由として読めます。

  ~以下 引用~

(前略)

>株主という元々利益を求めてしまう存在が不可欠な株式会社には、長生きは必要ない気がするんです。むしろ、有限責任の良さを活かしてリスクを取って攻めていくための仕掛けなんだと思うんですよねぇ。

>なんだか、会社を経営していた頃から、「長続きする会社」を持ち上げる傾向に疑問を持っていたんですよねぇ。しかも必要以上に株主・オーナーを軽視するわりには資金調達という金目的だけには資本市場を利用するという。だったら、NPO法人にでもなったほうがいいのでは?なんて思ってしまうんです。例えばTV局とか。

>株式会社は、そもそも東インド会社の時からリスクの大きい香辛料貿易船事業なんかの為につくられた仕組みなんだから。長生きとかに向いてないと思うんですよねぇ。

投稿者 R : 2009年10月13日 11:06

日本の企業ってのは凄いんですね、はじめて知りました。

長年にわたる技術革新とその継承の背景には、それを可能とした時代(外圧)に応じた経営体の変革と、たゆまぬ人材育成の努力が不可欠であったろうと思われます。
その根底に流れる結集軸となるものは、人としてどう生きるか、集団としてどうあるべきか、を常に問う姿勢ではなかったろうかと思います。

『動機善なりや、私心なかりしか』
(最近注目を集めている京セラの稲盛和夫氏の言葉です。)

動機が不善であれば、私心であれば、世の中の期待に応えることは勿論出来ないし評価もされない。
自然の摂理に則り、共同体の本源規範を問い続けていたからこそ、常に世の中を注視し、人々の期待に応えることを最大の喜びとして、ひたすらに追求し続けることが出来たのだろうと思われます。

先人に感謝!です。


投稿者 nishipa : 2009年10月13日 12:18

>何とか食っているから残っているのではないでしょうか?

tanoさん

説明が足りませんでした。
これからの世界の覇権国であろう中国は、米国より
もっと強烈に、有無を言わさず日本に圧力をかけて
くると予測できますが、日本人の美である保守存続
継続の美学といった体質ではとてもではないですが
太刀打ちできないと思うわけです。

日本が国として食っていくためには、伝統を一瞬で
ひっくりかえし、時に傲慢ともおもえる
面も世界に向けていかないと、日本は伝統だけの
遺物国家としてさえない状況になるであろうと
考えるものです。

そうゆう面では、無謀ともいえる温室効果ガス削減
目標で世界に対して喧嘩を売り、まず日本人に
圧力をかけた名前は鳩でも行為は鷹な鳩山さんに
これからもどんどん世界に向って喧嘩をうって
いってほしいと思います。

投稿者 スバール : 2009年10月13日 22:15

>日本が国として食っていくためには、伝統を一瞬で
ひっくりかえし、時に傲慢ともおもえる
面も世界に向けていかないと、日本は伝統だけの
遺物国家としてさえない状況になるであろうと
考えるものです。

スパールさん
いつもタイムリーな意見ありがとうございます。

この指摘はなるほどです。
つまりこれからの日本は伝統を守って内向きにいるのではなく
戦わない日本人という「伝統?」をひっくり返してでも世界へ共認闘争を挑んでいく事が求められているというところでしょうか。確かに食っていくどころか食われてなくなってしまうという危機感(状況認識)が現在の平和ボケの日本人にはまずもって必要ということかもしれません。

ただ、鷹山さんこと鳩山さんの25%の提言はそれら日本人の後押しを受けて発信した言葉とは思えないのですが・・・。
気持ちは買いますが、中身があまりにも杜撰に思います。
世界に喧嘩を売る必要は別のところ(対米、対中)でぜひ披露してもらいたいものです。しかしその為には日本をひっくり返すのではなく、日本という無形資産を武器に世界へ発信していくという国民の共認形成が必要だと思います。

投稿者 tano : 2009年10月14日 00:07

スバールさん、tanoさん。コメント,ご指摘ありがとうございます。

>日本が国として食っていくためには、伝統を一瞬でひっくりかえし、時に傲慢ともおもえる面も世界に向けていかないと、日本は伝統だけの遺物国家としてさえない状況になるであろうと考えるものです。(スバールさん)

>確かに食っていくどころか食われてなくなってしまうという危機感(状況認識)が現在の平和ボケの日本人にはまずもって必要ということかもしれません。(tanoさん)

今回の記事は、現在の世界共認や市場原理の枠を外して、日本人の可能性はどこにあるだろう?そういう視点で記事を書きました。

過去、外交政策という点で日本は負け続けていますし、世界に向かって闘えと言われたら、現在の世界共認の枠ではなかなか可能性が見えてきません。スバールさんの言われている実感を自分も持ってしまいます。よって、一旦その枠を外して考えてみました。

一方で、

>まず日本人に圧力をかけた名前は鳩でも行為は鷹な鳩山さんにこれからもどんどん世界に向って喧嘩をうっていってほしいと思います。(スバールさん)

>世界に喧嘩を売る必要は別のところ(対米、対中)でぜひ披露してもらいたいものです。(tanoさん)

外交面では、まずは、脱米を明確にしてほしいところです。

今日のインド洋での給油中止や、中・韓・日の3カ国首脳協議でも、「日本はアメリカに頼りすぎていた」と鳩山さんが発言したことを考えると、”従米”からは一歩抜け出ようというところでしょうか。可能性があるのかどうかも、今後見極めていくべきところだと思います。

投稿者 さーね : 2009年10月15日 20:51

Rさん

>企業=株式会社を前提とした内容で、逆に捉えれば企業が長続きしない理由として読めます。

株主の利益が第一であれば、極端に言えば会社のことは全く考えない=企業が長続きしないでしょう。

ところが、重要なのは、日本の市場では、長い歴史を積み重ねた老舗企業が生き残っていることです。彼らを否定的な存在として見るよりは、市場原理の中でも利益を出してきた彼らの意識を一つの可能性として捉えた方が良いと思っています。

ちなみに、TV局は生き残っているというより、世論支配が可能な地位にあぐらをかいているように感じますが(笑)

投稿者 さーね : 2009年10月15日 20:59

>ただ、鷹山さんこと鳩山さんの25%の提言はそれら日本人の後押しを受けて発信した言葉とは思えないのですが・・・。

tanoさん

世界に向けて宣言したんだから、お前ら(日本国内)
是が非でも環境技術革新しないと、我々は世界の
大嘘つきになるよ?とゆう意味での国内への圧力です。
あの鳩山さんのスピーチは、国内向けがメインだったの
かもしれないとは勘繰りすぎでしょうか。
日本人は、身ぐるみはがされて、さあ仕方ない、動き出す
かくらいなかなか現実を受け止めにくい民族性があるのかも
しれません。

>日本という無形資産を武器に世界へ発信していくという国民の共認形成が必要だと思います。

こうゆう素晴らしく美しい精神構造が、日本人の
共通認識として必ずあるはずです。伝統は重荷となる
反面、人の心を豊にしてゆく・・・・・そう信じたいです。

さーねさん

>今回の記事は、現在の世界共認や市場原理の枠を外して、日本人の可能性はどこにあるだろう?そういう視点で記事を書きました。

なるほど。となりますと、tanoさんご指摘の
<日本という無形資産を武器に世界へ発信していくという国民の共認形成が必要だと思います。>

これをどうやって現実のものとできるか、課題は大きい
ですね。


投稿者 スバール : 2009年10月15日 22:34

スバールさん

>これをどうやって現実のものとできるか、課題は大きいですね。

色々実現していく基盤はありそうな気がしています。新聞やテレビ離れなどもその一つですが、問題は、それが単に捨象されてしまっており、収束先がないような状態です。

これが課題の大きさだと認識しています。

それには、どう発信していくか?どのような場を創っていくか?追求していきたいと思っています。

投稿者 さーね : 2009年10月17日 23:00

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